キャブレターレストア

 乗らなくなって不動車になってしまったRZRはキャブレターをレストアし、燃料を入れ替えればエンジンが掛かるものが多いです。キャブレターはエンジンにしっかり仕事(燃焼)をさせる大事なパーツです。レストアする際は全バラにして、確実に各通路の貫通確認と各部の調整を行なっておきましょう!※細かいことはサービスマニュアルを見て下さいね。


B組 立 編

 最後に組み立てて完成です!
 各パーツの組み忘れに注意するのと、同調をしっかりとること
 なお、ジェット類は柔らかい素材のパーツなので、きつく締めるとネジなめしやすいので注意すること。

<使用した工具>
太+ドライバー、小+ドライバー:各パーツの分解組立
細−ドライバー:スロージェット、エアスクリュー、同調ネジの分解組立
12oスパナ:チョークレバーの分解組立
7oラチェットコマ:スロットルバルブ部の分解組立
6oラチェットコマ:メインジェットの分解組立
ラジオペンチ:各パーツの分解組立
自転車用空気入れ&アダプタ:貫通&清掃
B−1  キャブ内部の組み付け

 バラした順番に組み立てます。

 スロージェットの組み忘れに注意するのと、フロート止めのピンは左側から差し込むこと。

 フロート及びニードルバルブがどこにも引っ掛かりがなくスムーズに可動すること。
 
B−2 簡易油面の確認
 ニードルの突起部にフロート部のベロが触れる位置で、簡易油面を測定します。 基準値21±1mm
 目安的にはベロに触れる位置でフロートが平行になります。

 もし、基準値外ならフロート部のベロを曲げて基準値内に入るようにします。
B−3 スロットルバルブの組立
 バラした順序で組み立てます。シャフトのアームには薄くグリースを塗布しておくといいでしょう。

 スロットルバルブ部を組み立てたら
、スムーズに可動するか確認します。
B−4 フロート室の取り付け
 出来るだけ均等なトルク管理をする為に、対角線上に2〜3回に分けて締め付けます。
B−5 キャブの連結



 左右のキャブをバラした順番で組み立てます。

 適当に組み付けると上下左右の位置が微妙にズレて同調にも狂いが生じやすいので、ガラス板などの平らな所に載せて平行を出して組み付けます。
 上下の連結ステーともネジ締めは2〜3回に分けて均等なトルクで締め付けます。

 なお、下部のステーを止めるネジは意外と緩んで外れているコトが多いです。しっかり締めれば大丈夫だと思いますが、回り止めのワッシャーを入れておくといいでしょう。
B−6 アイドリング・同調の調整





 アイドリング調整・同調調整ネジを回して、アイドリング・同調を調整します。
 アイドリングはサービスマニュアルによれば、0.7oの針金を差し込んで、左右が均等になるように指示しています。

 ある程度なれてくると、キャブを空にかざしてスロットルバルブの隙間がどれだけ開いているか、左右が均等になっているか、目視である程度は出来るようになります。目安としては、空にかざしてスロットルバルブの隙間から光が少しだけ差し込む程度がほぼ0.7oだと思います。

 また、アイドリング調整・同調調整ネジは連動しているので、実際に車体に取り付けて、エンジンを掛けてみてアイドリング調整ネジを回してしまうと、同調もほんの少しですが狂いが生じるようです。
 調子が良くても、たまにはキャブのチェックを行ない同調確認をするといいでしょう。

 スロットル全開時に左右のスロットルバルブがちゃんと全開になるか確認しておきます。同調がちゃんととれていないと、全開にならない(特に左側)に場合もあります。
B−7 その他


 実際に車体に取り付け、ガソリンコックをPRIにしてガソリンをキャブに流してみてガソリン漏れなどの異常がないか確認します。
 この時、ちゃんと各パーツを組み付けてもオーバーフローしてガソリンがドバドバ漏れてくることがありますが、これは
フロートが引っ掛かっている場合が多いので、車体を揺すれば引っ掛かりが外れて大体直ります。

 また、
必要があれば実油面を測定します。(私は走行上やセッティングでの異常が無い限りはほとんど行いません(^_^.)。

 
間違ってもオイル供給ホースの差し込み忘れや、オイル供給ホースが折れ曲がっての取付はしないこと。また、オイル供給ホース内の2ストオイルが抜けているようなら、必ずホース内に2ストオイルをオイル注しなどで充填しておくこと。

 
負圧ホースを忘れずにコック部に接続すること、接続し忘れてしまって「エンジン不調だ」って、騒いじゃったら大笑いです。

 エンジンが掛かったら、キャブからの2ストオイル供給が安定するまで、
しばらくはゆっくり走ること
 
B−8 セッティングについて  ドノーマルであれば、基準値から大きく設定を変えることはまずありません。せいぜいニードルピンのクリップ段数を変える程度でしょう。

 チャンバー装着・ブタ鼻取外し・直キャブなど、大きくセッティングが変わる場合はメインジェット交換などセッティングを変える必要があります
 チャンバーの種類によって大きくメインジェットの番手が上がる物、それほど上がらない物等、色々ありますので、頑張ってBESTセッティングを探してください。 とにかくセッティングは濃い目に振ってから、徐々に薄目にしていくと、焼き付き等のトラブル回避が出来ます。

 低・中・高速域での各パーツの機能やセッティング方法については、いろいろ雑誌で取り上げられていたり専門書も結構あるので、こういった書物を参考に見てみて下さい。

 ※キャブセッティングはプロに言わせても奥が深いものです。素人(私)がこれ以上説明するのは、あさはかなので御勘弁をm(__)m。
 


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