RZ250R(3HM)を R1ーZ(3XC)FZR250(3LN)のフロントホイールで!
3HMを3XCで簡単ワイドリム化!プロジェクト日記です 。 RZ250R(3HM)をR1ーZ(3XC)FZR250(3LN)のフロントホイールでワイドリム化する事はよく知られていますが 、私自信やった事はありませんので、検証を兼ねましてオリジナル ディスタンスカラーを製作して3HMを3XCで簡単ワイドリム化してみる事にしてみます それではまず両車両のホイールを並べてみます。 左が3XC、右が3HMです。確かにリムは3XCが、かなりワイドになります。 ですが、3HMより3XCの方がワイドリムになるにも関わらず、センターボスの幅は3HMの方がリム幅は狭いにも関わらず、3HMの方が3XCより4ミリ長い設計になっていました。 さて それでは早速、オリジナル ディスタンスカラーを製作してみましょう。基本3HMはシャフト径が12φ 3XCは15φですので、ここでシャフト外径の調整が必要になります。 ちなみに私の本業が機械の設計製作で、機械設計の要素や経験を基に根拠のある設計製作で、市販で無いものはオリジナルパーツを製作しております。 では 今回も3HMを3XCで簡単ワイドリム化!プロジェックトを成功させてみましょう! |
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それでは3XCのベアリングを外してノーマルディスタンスカラーを取り出します。 ノーマル ディスタンスカラーと ベアリングの位置関係です。 ホイール内部ではベアリングのインナーレース左右にディスタンスカラーが挟まれる設計になっています。 フロントフォーク組み付け時はアウターチューブ、カラー、ベアリングインナーレース、ディスタンスカラーそしてベアリングインナーカラー、メーターギア、アウターチューブと シャフトを締め付ける事により、このラインが一直線に加圧されることにより軸受としての機能を果たしている訳です 。 本来、機械的要素の設計の考え方からするとベアリングインナーレースには、シャフトはかちこんで固い仕上げ公差で精度を出す物ですが、バイクの場合はタイヤ交換などホイール脱着が行なわれる事を想定してベアリングインナーレースよりシャフトは細めに造られています。 ですから シャフトを締め上げてアウターチューブ、カラー、ベアリング、ディスタンスカラー、ベアリングそして、メーターギア、アウターチューブの位置列の締め付けによる軸受構造になるのです。 シャフトはあくまでもベアリングの荷重を受け各部品を締め付ける役目のみを行っているのです。 |
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オリジナル ディスタンスカラーを設計してゆきましょう! まず、ノーマルディスタンスカラーの測定を行います。ここで76ミリの寸法が測定されました オリジナル ディスタンスカラーを製作するおいて、一番重要な寸法決めです。 つまり、構造的にベアリング内径調整カラーとディスタンスカラーを同一構造にする訳ですから、この距離が一番重要な物となるのです。 この距離が短ければ、インナーレースは適正な位置にならず、ボルト締め上げにより加圧されて動かなくなります。また、長ければ外側に加圧されてベアリングアウターレースは左右に動く事になり、不安定なフロント周りとなるのです。 つまり、76ミリの距離に同じく仕上げ精度を要求するのですが、その仕上げ精度選定について検証を行う必要があります。 ホイールベアリングは6302ZZ(CN級)です。ベアリングには必ずガタが作られていて、このガタ(隙間)が無くては 物は回転する事が出来ません。 まず、ホイールベアリングのガタ(遊び)の測定を行います。つまり、ベアリングが左右にどの位移動するのかを測定するのです。ベアリングのインナーレースをボルトで締め上げて、旋盤のチャックにつかみ左右に動かしてみます。
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左図がオリジナル ディスタンスカラーその製作図面となります
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この図面を元にオリジナル ディスタンスカラーを製作します。 左画像の寸法が先ほど話していた精度を要求した箇所です。 ここで組み付けに入るのですが、計算上 3HMのカラーは4ミリ短く16ミリ。つまり4ミリ長い幅20ミリ内径15ミリのカラーが必要になります。 最初、3HMのカラーに4ミリのシムを入れて テストするつもりでしたが、工業用オイルシールの該当が幅が一ミリ長く、とりあえずその方向で行くつもりでしたが、、、、結局はカラーを製作する方向で行きました。 |
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それでは 組み付けて確認してみましょう。 実際、この方法でシャフト径の調整カラーを製作しているので実績があります。 ローターとキャリパーを付けてみましょう。 キャリパーも多少のローターのフレがみられますが、キャリパーの中心に位置しています。 これでオリジナル ディスタンスカラー 3HMを3XCホイールでワイドリム化は簡単に可能になります。 ボルトオン感覚ですね! |
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さて、では、このオリジナル ディスタンスカラーを使用したホイールベアリングの挿入は出来たものの? どうやって抜くのか? ベアリングを外す為の一般的な特殊工具が使えなくなりますが、、、、、、 どない?するんですか? はい! ここでベアリング外し用の特殊工具も旋盤で削りだしました。 内径12ミリ マイナス、外径15ミリ マイナスの特殊工具です。 2段になっているので 12ミリの部分がオリジナル ディスタンスカラーの内部に入り、15ミリ外径が叩く事によりベアリングごとカラーを外へ追い出します。12ミリの部分があるのでカラーを痛める事もなく、オリジナル ディスタンスカラーはベアリングを外しても再利用が可能です。 |
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参考 | このカラーを製作中に別の案も登場しましたので、参考までに紹介します!
オリジナル ディスタンスカラーについてマイミクさんと話をしていたら、面白いアイデアを出していただけたのです。親友のRZ乗りさんであり、国内自動車会社で設計技師をされておられて、私のカスタムパーツ造りにいつも助言を 頂戴している大切な友人の御一人より、オリジナル ディスタンスカラーについて、メッセのやりとりをしていたら、こんなアイデアが! チャックさん! 3XCのカラーと ホイールとメーターギアを全部串刺しにして! 内径12φで外径15φの精密カラーが製作出来たら簡単ですよね! それ、思い白いかも!って、やってみる事にしました しかし、外径15φの丸棒に12φの穴を精密に貫通させる事は容易ではありません。 肉厚が薄すぎて下穴のドリルが曲がってしまい、正確な肉厚が確保出来ないのです。 それじゃ?外径17φ、内径11φの STKMのパイプ材から削ればいい!それも、難しい内容です 。 基本パイプ材は、冷却引き抜き管と呼ばれ、特に薄いパイプは肉厚の精度が出ていないので、下穴ドリルを通した時点で、薄い部分に熱が集中して穴が曲がる可能性があり 、製作は困難です ですから、外径15φの S45Cの磨き材から造りましたが、先のオリジナル ディスタンスカラーの4倍の時間がかかりました。 まず 内径15φ 幅20ミリのGX250のカラーを流用します。傘の部分を外します。そして そのカラーと 精密パイプで、ベアリング ノーマルディスタンスカラーを串刺しにします。 寸法はトータルの長さから1ミリ マイナスにしてあります。さらに ベアリング内部に入れる内径12ミリ、外径15ミリの精密パイプも削り出してみました。 ベアリングの中に挿入するだけですから、ベアリングを外す手間もいりません。組み付けもこちらの方が簡単ですね、ベアリングを外さないですから。 また、オリジナル ディスタンスカラーの方がベアリング内部に組み付けてしまえば、シャフトの抜き差しに 移動する事も皆無であり、抜ける事もありません。ベアリング左右の荷重を均等に配分する事も出来ます。 と言う訳で、こちらは参考までの方法として!! それでは 3HMを3XCで簡単ワイドリム化!プロジェックト!完成です! |