エンジン適当?レストア記
MY−RZRは、今まで一体何回エンジン壊れて(壊して)、エンジンを載せ替えてきたのでしょうか?数えきれません(-_-;) ですが、ここ数年は、特に異常も無く快調にMY−RZRは走ってくれてます。気が付いたら前回のエンジンレストアから10000km以上走ってしまいました。 そろそろ、このほぼノーマル仕様のエンジン下ろしてリング交換くらいしてあげよ〜かな〜と思っていましたが、我が家には過去に破壊したポンコツエンジンのパーツが転がっています。大半は捨ててしまったものの残ったパーツを見ると何とか1機作れそうです! ちゅー訳で、ストリートで安心して長く乗るにはノーマルが一番耐久性がありますが、このホームページやり出して....皆さんの熱いRZRパワーでイジ(改)る血がまたメラメラしてきました<`〜´>。ちょびっと欲出してエンジンレストアしてみました。 やってることは、RZRではポピュラーなことばかりです。 やり手(管理人)がイイ加減なので、参考程度に見てネ。 |
クランク芯出し まずは、使用する腰下はクラッチボスのベアリング関係が逝っちゃっていたので、腰下をバラす必要がありました。バラす前にクランクの開きを測定すると....左側のクランクが1mmくらい開いていて、目視で左右のクランクの開きの差が分かります(-_-;)。 とにかく、全バラにしなきゃ始まらない、全バラです。特工はインパクトレンチがあれば、ローター&クラッチホールディングツールは無しでイケます。必要なのはフライホイールプラーくらいだったかな。 と言う訳で、腰下を全バラにして、クランクは芯出しと抜け防止でピン溶接(画像矢印部)を内燃焼機屋さんに依頼。 なお、クランクを扱う時は柔らかい物と考えて丁寧に!芯出し後に落としたり、ぶつけたりしたら、ゆがんじゃいますよ。 |
ケースのパテ埋め&修正 左写真はクランクケースにシリンダをはめて、それを下から覗いた画像です。写真矢印の部分(特に目立つ)やシリンダとの合わさり面など、掃気ポートに段差がついていますので、クランクケースのパテ埋め(下画像)と併せて、段差が無くなる様に修正(削り)します。 修正時は左写真の状態で、見える部分はマジックで塗ってその部分を削ります。マジックが塗れない部分は少しずつ削っては、シリンダ&ケースを合わせて確認しながらやります。 本当なら、光明丹を使用してやるのがポピュラーです。 なお、写真の上部分はベアリングの支持面ですが、距離を走ったRZRですとこの支持面がベアリングで叩かれて痛んでいる物が多くあります。あまりにひどい打痕がついている物は折角クランクOHしてもダメなので、あきらめましょう。打痕がひどいケースは交換です(-_-;)。 部品数の少ない2ストローク(RZR)はケースの状態も重要です。 |
クランケース掃気部は段差があります。ここを埋めてあげることでスムーズな掃気と一次圧縮の向上が図れます。 使用したパテは、耐熱の半ネリパテを使用しましたが、複雑な形状部分に盛っていくには柔らか過ぎました。しかも、すぐ硬化しちゃうし....使用するなら、スティックタイプの耐熱ねんどパテが良いでしょう。 なお、一次圧縮向上を狙いすぎて、パテを埋め過ぎると掃気通路が塞がって混合気の流れが悪くなってしまうこともあるので、流れを良くする様に盛って、盛り付けは程々にしています。 メンテナンス性を考えパテ盛り時にストローを使用して、オイル注入穴は残しました。 |
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リューターで足付け |
適当にパテ盛り(これ盛り過ぎ) |
ほとんど削り落としましたが完成 |
クラッチのチェック クラッチも異常が無いか?一応、チェックして組み込みました。 @RZ系でよく言われるクラッチハブダンパーのヘタりのチェック、写真の様にプライマリー部をひねってガタがあればNGですが、まだ大丈夫のようでした。ガタがあると、クラッチ部からゴロゴロ異音がしてしまいます。 Aクラッチプレートとの磨耗のチェック、まだ段差とまでとはいかないものの強くアタリがついてましたので、オイルストーンで修正しました。同じ様にクラッチボスにもアタリが出てたのでこちらも修正。 なお、手で撫でて大きな段差だとクラッチの切れが極端に悪くなりますので、大きな段差なら要交換部分となります。 |
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@ |
A |
クラッチプレート&フリクションプレート&スプリングは規定値内だったので、とりあえずそのまま組みました。 滑りが出るようなら、交換予定です。 お金が無いので、出来る限り中古流用しています。クラッチならNGでもすぐ交換出来るので。 |
腰下組付け まあ、基本的なコトはサービスマニュアルに載ってますので省略します。画像付きで組立てコンテンツをUPしているリンクサイト様もありますので、見るとかなり組付け時の参考になりますよ。 −私が気をつけてる注意点− ・せっかく腰下をバラすのですから、各オイルシール新品交換が鉄則! ・ケース面の脱脂は必要十分に行い、液体ガスケットは塗り過ぎず薄く塗布すること。 ・組む際にはクランクをアンダーケースにのせる時、ベアリングのノックピンの位置を所定位置に合わせてから、アッパーケースと合わせること。 ・ケースをはめ合わせた後は、クランクを回しながら、クランク位置の芯出しをしてケースの取り付けナットを締め付けていきます。 ・ケースの組付けは必ずトルクレンチで所定トルクで行うこと。締め付けの順番も守ること。 ・ケースのボルトには薄くグリースを塗り、安定したトルク管理が行えるようにします。 ・うまく組付け出来ないと、クランクを回転させると極端に重かったりします。この場合は再度組付け直しします。 ・2ストエンジンの肝の部分なので作業は慎重に! |
続いて、シリンダ関係(腰上)です。 使用したシリンダは焼き付いてしまった51Lのシリンダですので、ボーリングする必要があります。どうせボーリングするのでポートも削っちゃいました。 |
排気ポート ポートにはリングガスケットはめています。ノーマルだとこの部分に大きな段差が出来ています。社外品チャンバーはリングガスケットの径に合わせて作ってあるフランジも多いので、リングガスケットに合わせて排気ポートも拡大します。シリンダ側からテーパー状に拡大して、鏡面まではやりませんが、ある程度表面は耐水ペーパーでならしました。 ついでにポートタイミングもちょっと高回転化するように上面を削りました。 |
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BEFORE |
AFTER |
YPVSプーリー 排気ポートの拡大に合わせて、YPVSプーリーも削ります。MAXでネジのシャフトが見えるくらいまで削れそうですが、そこまで削るとオイルがこの穴を通じて漏れてくるので、ギリギリで止めておきます。 |
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BEFORE AFTER |
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吸気ポート ノーマルは吸気ポートのセンターリブが丸くて太いので、ここを削って鋭角にします。吸気ポートタイミングも僅かながら拡大して変更しました。 51Lシリンダのみ、画像右部分に補助ポートが付いていますので、ここもクランクケースにキレイに流れる様に段差を削ります。 |
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BEFORE |
AFTER |
掃気ポート ここもセンターリブを鋭角に削って、スリーブ面との段差も削りって滑らかにします。ちなみに掃気のポートタイミングは、手持ちの工具ではうまく出来そうもないのでしていません。ボーリング後にバリ取りした程度です。 クランクケースとの合わさり面もピッタリになるように修正しています。 |
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BEFORE |
AFTER |
ボーリング シリンダの加工が終わったので、内燃焼機屋さんにボーリング依頼しました。ボーリング前のポート加工なので、スリーブ面を気にせず削れるので楽でした。 内燃焼機屋さんにはスタッドボルトを外して、使用するピストンを添付して依頼します。加工数値はこちらから指定しますが、数値はサービスマニュアルに載ってますので、それに準じて指定しました。 内燃焼機屋さんから戻ってきたシリンダは、当たり前ですが新品の様にスリーブ面がキレイです。一応、組付け前に各ポートのバリ取りと清掃を行いました。 |
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ヘッド カーボンが付きにくい様に鏡面に仕上げてみました。ピストンのヘッド面も、画像はありませんが鋳肌をならす程度に仕上げました。 ホントはヘッド面研もしたかったのですが、ちょっと予算切れ.....ヘッドガスケット減らしでの圧縮UPにしました。 |
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BEFORE |
AFTER |
腰上組付け まあ、基本的なコトはサービスマニュアルに載ってますので省略します。画像付きで組立てコンテンツをUPしているリンクサイト様もありますので、見るとかなり組付け時の参考になりますよ。 −私が気をつけている注意点− ・組付け時に使用する2ストオイルは高級オイル使用すること。原チャリ用の低級グレードなんか使っちゃいけません。 ・ピストンリングにはトップ、セカンド(厚い)の2種があります。また表裏の向きががありますので注意。オイルはたっぷり塗布。 ・ピストンをクランクに組付ける時には、クリップなどのパーツをケース内に落とさない様にクランクケースにウエスをつめてパーツが落ちない様にします。 ・シリンダをはめ込んだ後は、キック(クランクを回す)しながら、ピストン位置の芯出しをしてシリンダの取り付けナットを締め付けていきます。 ・シリンダの取り付けナットは一般的なトルクレンチでは1箇所しか締め付け出来ません。メガネ式トルクレンチが必要です。私はメガネ式は持っていない(欲しい!)ので、1箇所を一般的なトルクレンチで締める感覚と同じ様に残り3箇所を普通のメガネレンチで締めています。対角線上に締めていきます。 ・ヘッドのナットもトルクレンチで所定トルクで行うこと。締め付けの順番も守ること。シリンダのナットもそうですが、ネジないしナットにグリースを塗布し安定したトルク管理を行えるようにします。 ・組付けたら、YPVSプーリーを連結させた時にYPVSプーリー左右が均等になっているか確認する多少のズレなら無理矢理ひねって修正します。 |
作業自体はそれほど難しいものではありませんよ(^O^)
とにかく、肝は重要部品は新品交換して、組み付けトルクに注意!
あとは出来るだけ丁寧な作業!だと思っていますm(__)m
エンジン作って1年以上、、、2005年8月にようやくエンジンを載せ替えました。 まだ、セッティングは煮詰めてませんがナラシを終えてみて、まずまずのトルクと吹け上がりをしてくれます。自分でエンジンを組み立てると「大丈夫かな〜」って思ってしまいますが、今回もまずまずの出来のようです。 やはり、RZ系は一次圧縮が低目と言われているので、クランクケースのパテ埋めは効果があると思います。 また、ポートのバリも所詮80年代の工業製品なので粗があります。お金も無いのでカリカリチューンは出来ないし、する気もありませんが、この程度のレストアついでのファインチューンはなかなか良いと思います。 |
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