RZ250Rオイルポンプオーバーホール
けんぽん  2015.1
以前投稿いただいたよしあき部長のレポがリンク切れしてしまったので、
自分で作業した記録として、、、、、、、


 前々から気になっていたオイルポンプからのオイル漏れだが、なんとなく漏れる量も増えてきたような、最悪は焼き付きになりかねない事象なので補修することにした。
 ちなみにこの補修ははじめてである。やはり生産終了後30年経った車両では
シール関連はもうダメと考えるべきなのだろう。
 幸いにもRZR情報局にもあるように補修純正パーツは出てくる。これはヤマハさんには感謝であろう!
 
 補修に関しては2箇所のオイルシールを交換する。
 ※ただし、シールの交換だけでは完全では無く、
支持体の痩せによってはその補修も無意味になってしまう可能性があることは補修前に覚悟する必要がある。

 1、まずはオイルポンプを外します。

 2、8mmのナットを外します。

   外すと
ナット、ワッシャー、プレート、シムが外せます。シムは2枚ありましたが、シム枚数は状況によって1枚〜複数枚の場合があるようです。
   
 3、ちいさなシャフトボルトを外します。

   3か3.5mmくらいのボルトですが、対応ソケットを持っていなかったので、
モンキーで外しました。
   
高トルクでしまっているので、しっかりくわえて慎重に外します。
   
   外すと
プーリーとスプリングが外せます。スプリングは本体とプーリーの穴にはまるのでどんな感じではまっているか確認しておきます。
    

 4、プラスネジ4箇所を取り外してカバーを外します。

   プラスネジは最初にドライバーの
尻をハンマーで軽く叩いて固着を剥がしてからゆるめると良いと思います。なめないようにしっかり押して外します。
 
   ネジを外しても
ガスケットが固着していてカバーが外れないので、マイナスドライバーで叩ける所で叩いて固着を剥がしてカバーを外します。
   
 5、固着を剥がしたら、カバーを外します。

  
カバーを外すとオイルシール大がありその中にシャフトユニットが入っているので、それを取り出します。

 シャフトユニットには
スプリングと薄いワッシャー(注意)が入っています。
 今回はオイルシール小もシャフト側に付いてきました。これは本来はギア側のシャフトに収まっているパーツです。

   

 
オイルシール大をマイナスドライバーでこじって外します。
  
 
 カバー側のパーツを全て外しました。
  
 6、ギアユニットを外します。

 
ギアユニットはワッシャー、ギア部、シャフト、ウェーブシム、ワッシャーで構成されています。
 シャフト部にオイルシール小が入ります
ので、分解時にオイルシール小がこちらに入っていることもあるでしょう。
 
 7、ドレーンボルトとオイルニップルを外します。

 
ドレーンボルトは外したこと無ければ、硬くしまっているのでドライバーの尻を叩くなりして固着を外してからシッカリ押さえてドライバーを回して外します。
 
 続いて
オイルニップル2箇所を外します。
 ニップルの向きは組む時に同じにしますので、写真を撮るなどして
向きを忘れないようにした方が良いでしょう。
 
ニップルは圧入してあるので、力の入れられるプライヤーで挟み左右にひねりながら引き抜きます。
 引き抜くと
チェックバルブ(ボール)とスプリングが出てきます。
  
  8、組み付け前に洗浄とパーツチェックします。

   組み付け前に
各パーツを徹底洗浄します。
   特に上記の
ニップル部のスプリングには今までに吸い込まれた異物が付着している場合が多いので、丁寧に取り除きます。今回も繊維状の異物が入っていました。
   パーツクリーナーなどで全ての
通路の貫通確認を行います。
   本体とカバーに残った
ガスケットをスクレイパーで剥がし、オイルストーンで面出しします。
   とにかく
、徹底洗浄します。
   
 9、交換する新品純正パーツを準備します。単価は2014.12調べ

   
オイルシール 93104-04114   @205   オイルシール小
   オイルシール 93104-14059   @356   
オイルシール大
   ガスケット   86A-13142-00  @205
   
   クランクケースとオイルポンプのガスケット  126-13116-00 @97
   
 10、オイルニップルを組み立てます。

 ばらした逆で組み立てます。
 チェックボールを入れてスプリングを組み込んだニップルをラバーハンマー圧入します。
 この時にニップルの位置を元の向きに入れましょう。
 またニップルに極少量の
ロックタイトを塗布してニップルの外れ防止をします。

 
ドレーンボルトを組みますが、どうせエア抜きで緩めるので仮締めでいいでしょう。
  
 11、ギアユニットを組み付けます。
 
 外した通りにギアユニット組み付けます。
 
シャフト部の穴に新品オイルシール小を奥まで圧入します。(シールにはオイルを塗布)
 
向きに注意!!リップがある方を奥にして入れます。つまり画像からだとリップ側は見えない。
  
 
 

 12、カバー部を組み立てます。

 
シャフトにワッシャーとスプリングを入れます。
 
カバーの溝にシャフトのピンを合せてカバーにに差し込みます。
 差し込んだらシャフトが抜けないように、ワッシャーとナットを仮組みします。

  

 ナットで仮組みしているので、シャフトは飛び出てきません。
 
カバーにオイルシール大を圧入します(シールにはオイルを塗布します)。手で普通に入ると思います。
 向きに注意!!
リップが手前側の見える向きになります。
 オイルシールを入れたカバーユニットを本体と組み合わせ、
新品ガスケットを組み入れて、4本のプラスネジで取り付けます。
   
 13、ラスト。

  仮組みしたナットを外して
プーリー部を組み直します。シャフトボルトは細いのでねじ切らないよう注意して締め込みます。
  
最後にシム、プレート、ワッシャーナットで組み付けて完成!!

 
 14、そして、本当の最後に、、、、
 
  クランクケースカバーに取り付けたあとは
サービスマニュアルに載っている最小ストロークの確認及びエア抜きを忘れずにすること!
 また、最初は
オイルポンプがオイルをちゃんと吐出しているかしっかりチェックすること。この場合はオイルホースを透明なものにすると分かりやすいです。

   万一、
作業ミスがあった場合は焼き付きなどの重大リスクがあるので、ちゃんと作動しているかのチェックはしっかりおこないます。

  と言うのも、
実際、私はやってしまいました。
  この作業の前の一回目のレストア作業でオイルシール小をしっかり圧入しないで組立てしまい。オイルポンプがしっかり機能していないのにそのまま走ってしまい、2015年1月3日に第三京浜走行中に
片側を抱き付かせてしまいました。
 
折角のオーバーホールがこの様では笑えません。
 皆様は組んだ後はしっかりチェックしてください!!!!

  
    
参考文献:モトメンテナンス106号のオイルポンプ分解記事。
今は無きランナーさんの作業でかなり丁寧に載っていて、バックナンバー買っても良いと思います。



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