ブレーキキャリパーレストア
RZRのブレーキキャリパーは長期間OHや、ピストン揉み出しなどの定期メンテナンスをしないと、効きが悪くなったり、ブレーキの引きずりを起こしたりします。ブレーキの不具合は重大事故の元にもなりかねません。また、単純にブレーキの効きが悪いと言ってキャリパー交換にはしる方もいますが、まずはノーマルブレーキのOHをしてノーマルブレーキの持つポテンシャルを確認してから、交換しても遅くは無いと思います。一度もOHしたこと無いキャリパーの中身は結構酷いですよ!※細かいことはサービスマニュアルを見て下さいね。
今回レストアするのは3HMのリヤキャリパーです。以前にブレーキの引きずりを起こしてから取り外したまま放置プレーしていたので、見るからにボロ。。。 ちなみにRZRのキャリパーは、、、、 29L :@フロント片押し1POT、 Aリヤ対向2POT(大径ピストン) 51L〜1XG:Bフロント対向2POT、 Cリヤ対向2POT(Aより小径) 3HM :Dフロント対向2POT(同B)、Eリヤ対向2POT(同Cただしエア抜き箇所は異なる) |
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@洗浄 |
まずは、洗浄します。 ブレーキパッドを外して中性洗剤と歯ブラシでガシガシピストン周り洗いましょう。 パッドカスや汚れで真っ黒になってますので、とにかくまずはキレイにしてあげましょう。 |
洗浄してみたら、、、、、ピストン周りをチェックしてみたら、、、 ガビョーン!!! ピストンにダストシールが噛んじゃっています。これじゃブレーキも引きずりを起こす訳だ。 調子悪いと思った時に外しておいてよかった。。。。このまま走行し続けると、重度の引きずりを起こし、最後はディスクも焼けてしまって、みんなパーになるどころか、最悪ブレーキロックで重大事故にもなりかねません。 |
ではでは、ピストンを取り出しましょう。 でも、その前にピストンを抜けやすくする為にシリコングリースやメタルラバーなどのシールを痛めない潤滑剤を吹いておきます。 今回はシールが既に逝っちゃっているので、CRC−556吹いちゃいましたけど。。。。 |
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ピストン取り出しにはコンプレッサーなどのエアツールがあると非常に楽なのですが、そんなものは持ってないので自転車の空気入れをいつも使用しています。 後は画像左のキャリパーピストンツールはピストンを押さえつけるのに必要なので持っております。この工具はキャリパーの定期メンテナンスのピストンの揉み出しにも使えますので、持ってて損はないです。 最近ではペンチのような特殊工具でピストンをつかみ出すモノもあるようです。
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自転車空気入れ |
さらに応用して、、、 |
キャリパーピストンツールで片側のピストンを押さえ付けて、自転車の空気入れに付属していた適当なアダプタを取り付けて、ブレーキホース取り付け部分の穴から加圧します。 通常は3〜4kg加圧すれば、ピストンは飛び出てきます。危険なので、ピストンに布を当てて作業します。。 ※この作業をする時はピストンの急な飛び出しに注意です。指をピストンに当てたまま作業すると大怪我の元になります。 さすがに、ダストシールの噛んだピストン。ビクともしません(-_-;)。 さらにもっと加圧出来るようにブレーキホースをチョン切って、そっから8kg超加圧しても抜けません。マジかよ〜(-_-;)。 |
最後の手段っす。 | 抜けまちた(*^_^*) |
んじゃ〜、最後の手段の油圧だ〜。マスターシリンダーにつないで、レバーをニギニギ。。。 ピストンがモコモコ出てきて、最後にはポコンと取れました(^O^)/ |
ピストンが取れたら、ピックアップツールでダストシールとオイルシールを外します。 ピックアップツールは色々な形状の専用工具も販売されているようですが、私は精密ドライバー(マイナス)を曲げた物を代用しています。先端は傷つけ防止の為に鈍らせてあります。 ダストシールはピストンに噛み込んでいたせいか再利用不可。ピストンも汚れとシールカスが付着してかなり汚れていました。 |
まずはピストンの清掃です。潤滑剤を付けて、極細目のペーパーで表面をならします。 この時のペーパーは住友3Mのスポンジ研磨剤って言うのを使っているのですが、持ちが良く使い勝手も良いのでお薦めです。 なお、ペーパーをかける方向はピストンの動く方向に対して直角に掛けます。左画像で言うなら上下方向。 ピストンもピカピカになりました。これなら作動性も良さそうです。 |
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続いて、シール溝を清掃します。上記で使ったピックアップツールでキャリパ本体に傷を付けない様に作業します。 一度もメンテしたことなければ、大量の白いスラッジが取れると思います。取り残しの無い様に徹底的にキレイにしておきます。 |
シール溝の清掃が終わったら、パーツクリーナーでしっかり洗浄します。 あとはダスト及びオイルシールにシリコングリースを薄く塗布して溝にはめ込みます。 シールに関しては、元々オイル漏れが無く、見てみて痛みが少なければ再利用も可能です。(モチロン交換がベストではありますが) <参考:シールキットのパーツNo> 価格はキャリパー1ケ分に対してです。 29Lフロント:No.4X8-W0057-00 ピストンアセンブリ,キヤリパ ¥4,179(2005.3調べ)※ピストン付きのASSY 29Lリヤ:No.26H-W0047-00 キヤリパシ−ルキツト ¥1,890(2005.3調べ) 51L〜3HMフロント及びリヤ:No.51L-W0047-00 キヤリパシ−ルキツト ¥1,785(2005.3調べ) |
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最後にシリコングリースをピストンに薄く塗布してはめ込みます。この時はシールが噛み込まない様に注意しましょう。シールの引っ掛かりが無ければ、指で押し込めるくらいスムーズに入れることが出来るはずです。
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なお、ブレーキのエア抜きに関してですが、ワンマンブリーダーがあれば楽なのですが、、、貧乏人なので、注射器でエアを抜き取っています。 こんな注射器でも、何も無いで作業するより作業時間は1/5以下に短縮出来るのでとても重宝しています。 ※シャンプーなどのポンプ式容器のポンプを利用してもエア抜きが出来るそうです。 |
更に徹底的に清掃したのであれば、面倒ですがキャリパーを左右分割して清掃しましょう。 OHされていないキャリパーの劣化も結構酷いので、技術的に出来るのであれば管理人も分割OHをお薦めします。 分割時のOリングは純正分品では設定がありませんが、他社流用で対応出来ます。 分割OHのコンテンツはコチラ!!!! |