キャブレターレストア

 乗らなくなって不動車になってしまったRZRはキャブレターをレストアし、燃料を入れ替えればエンジンが掛かるものが多いです。キャブレターはエンジンにしっかり仕事(燃焼)をさせる大事なパーツです。レストアする際は全バラにして、確実に各通路の貫通確認と各部の調整を行なっておきましょう!※細かいことはサービスマニュアルを見て下さいね。


A清 掃 編

 ぜーんぶ、バラしたら、次は全ての通路の貫通確認と清掃です。
 あくまでも基本はやさしく!軽く!ですが、汚れはしっかりと落とします

 

 ←こーんな汚れたキャブレターじゃあ、エンジン掛かりません。黄土色になっているのは全て腐ったガソリンのスラッジ(汚れ)です。
 これでも、レストア用のレベルではかなりまともな方です。中にはフロート室が半分くらい錆とスラッジで埋まってしまっているキャブも結構あります。
A−1  まずは!ドブ漬け
 まずは、キャブのフロート室と構成パーツをキレイにします。
 まー、ちょっとやそっとではキレイにならないので、キャブクリナーにドブ漬けします。フロート室でドブ漬けすれば、一石二鳥!

 キャブクリーナーに関しては、泡状のものが使い勝手が良い感じがします。

 フロート室は歯ブラシで擦れば結構キレイになります。それでも落ちない汚れはあまり感心しない方法かもしれませんが、細いマイナスドライバーなどで削ぎ落とします。
 
A−2 メインノズル、ジェット類の貫通


 キャブクリーナーでシューシュー吹いてキレイにすると全部のパーツをキレイにするまでに大量消費してしまうので、エアで汚れを吹き飛ばし貫通させます。最後にウエスで拭いてキレイにします。

 エアはコンプレッサー使用でのエアガンがベストですが、無ければ写真の様に自転車の空気入れにアダプタを差し込んで代用しても十分出来ます。
 エアを吹くときは、通路に残ったキャブクリーナー液が跳ねて目に入らないように十分注意しましょう。目に入ったら失明したかと思うくらい痛いです(>_<)。

 メインノズル横にはちいさな穴が空いています。空にかざしてみて、全ての穴がちゃんとキレイに貫通しているか確認すること。

 メインジェット、スロージェットも同様にエアを吹いて貫通させ清掃します。

 なお、ジェット類のガンコな汚れには、歯間ブラシを使うとキレイに汚れが落ちます。※歯間ブラシ(工具&ケミカルへ)
A−3 パワージェット&フロート室のチェック




 
 続いてフロート室に付属しているパワージェットを貫通させます。
 ここは非常に穴が小さいので軟式テニスボール用の空気入れアダプタ(右画像の物)を使用してエアを吹きます。




 外観上は詰まっているように見えませんでしたが、エアを吹いたら2枚目の写真の様に大量のスラッジが出てきました。

 




 なお、左のフロート室のみスタータージェットが入っています。貫通確認はもちろん組み立てる時、ちゃんと左側に組み付けましょう
A−4 フロートの清掃


 フロートもスラッジまみれですのでキレイにしますが、プラスチック系パーツですので強力な溶剤であるキャブクリーナーへの長時間漬けはお薦め出来ません。キャブクリーナーをつけたウエスで拭くのがいいでしょう。
 ただし、上記ではスラッジはあまり落ちません。あまり感心しない方法かもしれませんがマイナスドライバーなどでやさしく削ぎ落とします。


 下の写真の矢印部は油面調整用のベロですので、曲げないように注意しましょう。組立て後の油面確認で異常があれば、ここを曲げて油面調整します。
A−5 ニードルバルブ部の清掃確認


 ニードルバルブ部は、ニードルバルブ、バルブ受け、Oリングで構成されています。YAMAHA注文ではこの3点のASSY販売になります。意外と高い!
パーツNo.48H-14107-28 ニ−ドル バルブ セツト \3,864(2007年3月調べ)
※純正より安価な輸入社外品も最近見かけます。


 ちなみにバルブ受けをキャブボディから外すとOリングが硬化していて、再利用出来ない場合が多いです。
 Oリングのみは若干外径が大きいですが、JIS規格のS−7 Oリングがはめ込み時にかなりきついですが代用出来ます。
 S−7 Oリングはゴム系パーツ屋さんで入手出来ますが、購入単位が多いです(-_-;)

 ニードルバルブ部の先端部に段付き磨耗が無いこと
 また、お尻に付いているスイッチのような出っ張りが稼動するか確認すること!動きが渋ければ、潤滑剤付けてから何回か稼動させれば直る場合が多いです。 引っ込んだまま戻ってこない等、異常があればオーバーフローの原因になりますので要交換です。
A−6 キャブボディの清掃


 折角、全バラにしたのでボディ全体を清掃します。キャブクリーナーや油落とし用の洗剤で歯ブラシを使えばかなりキレイになります。

 そして、全ての穴をエアで貫通確認します。ここも自転車用空気入れで十分代用出来ます。
 メインノズル穴はスラッジが付着している場合が多いので、清掃も必ずします。
 スロージェット穴やオイル供給穴など小さい穴ほど、確実に貫通しているかチェックします。
A−7 その他パーツの清掃


 スロットルバルブ、ニードルピン部もバラして清掃します。ニードルピンに固着したスラッジが付いていることがあるので、キレイにすること。また曲がりなどがないか、左右でクリップ位置が違うかなどもチェックします。
←汚れたニードルピン。

 ガスケット類は基本は新品に交換ですが、ガソリン漏れや滲みが起きるまでは再利用してもイイでしょう
清掃完了!後は組み立てるだけ。

※なお、本当に腐食していて、清掃しても再利用出来ない場合もあります。この場合はあきらめて腐食パーツ部は新品交換しましょう。


 人生(レストア)はあきらめも肝心です。

B組立て編へGO!


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