(>_<)エンジンかかりませーん(>_<)
掲示板やメールで良くあるご質問が「エンジンかかりませーん」です。私なりに思うことを書いてみました。
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@燃料・吸気系 | |||||||
古いガソリンをそのまま使っていませんか? |
成分が気化した古いガソリンでは良好な爆発は得られません。どれくらい持つかは分かりませんが、ガソリンも腐りますよ。腐ったガソリンは変な臭いがします(@_@)。 また、タンク内の結露などにより、水分が発生している場合もあります。左画像はガソリンに水を入れた物ですが、水はガソリンとキレイに分離して底に溜まります。つまりタンク底を錆びさせてしまいます。また、キャブレターに水が溜まると正常に機能しなくなります。 目安的には半年以上ほったらかしにしたガソリンは使用しない方が吉! |
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ガソリンはちゃんとキャブに辿り着いていますか? |
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キャブレターはちゃんと機能してますか? | 半年以上乗らないとキャブレター内のガソリンも腐り、ガソリンや空気の通路を塞いでしまいます。まずは下部のフロート室を外して中を見てみましょう。まったくキレイなら大丈夫だと思いますが、キレイでも腐った臭いがしたり、ガソリンのスラッジや水や錆が入っていたら、全バラレストアしましょう!
参考:純正キャブレター規定値のページへ |
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その他、注意事項! | ひどい放置車両ではコックやニードルの故障により、ガソリンがキャブレターから漏れてクランク内に入り→チャンバーまで流れている場合もあります。 この時のチェックはプラグを外してプラグ穴に手をかざしてキックしてみましょう。ガソリンや水分が手にビチャビチャ付いてきたらOUTです。 この場合はチャンバー内にも流れ込んでいる可能性もあるので、チャンバーを外し、チャンバー内のガソリンを捨てましょう。流れ込んでいれば、きっと真っ黒のドロドロになったガソリンが出てきます。
また、リードバルブを取り外し、ホースを上手い具合にシリンダポートから挿入して注射器と接続すれば、クランクケース内の液体を吸い取ることも可能です。 マニホールドに大きなヒビが入っていないか?→チェック。 負圧ホースがちゃんとコック部に差し込まれているか?→チェック。 エアクリーナーも長期に渡って放置すると劣化します。必ずチェック&清掃しましょう! |
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最初の一発!! | キャブレターレストアした時、最初はチョーク引いてキックしてもガソリンが来ていない感じでなかなかエンジンが掛からない場合があります。そんな時はエアクリーナーを外してキャブレターの口を手で塞いで、キックしてみましょう。強制チョークが働きエンジンもすぐ始動します。 上記は、あくまでエンジンの掛かりが悪い時のエンジン始動確認のみで管理人がおこなってる方法です。エンジン始動の確認が出来たら、速やかにエアクリーナーやパワーフィルターに接続しましょう。 また、逆にカブってしまってエンジンが掛からない時は、ガソリンホースを外すか、社外コック付きであればコックをOFFにしてキックしてみましょう!カブったガソリンも気化していくので、その内エンジン掛かります。 |
A圧縮系 | |||
まずは! | 長期保存でピストンリングの油膜切れも考えられるので、スパークプラグを外して、その穴から2ストオイルを数滴たらしておきましょう。吸排気ポートから直接リングに塗れればなおよし。 |
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キックはちゃんとおりますか? | まずは手でキックを下ろしてみましょう。どっかに変な引っ掛かりも無く、スムーズにキックが出来ればまずはOK。
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圧縮はありますか? | 圧縮計で測ればいいのですが、ほとんどの方が持っていないと思います。スパークプラグを外して、その穴を指で塞いでキックしてみましょう!きっと指先にかなりの圧縮を感じられると思います。 「なんか弱いな!」とか、「左右違うな!」とか感じるなら、ピストンやリードバルブ部を良くチェックしてみましょう。 特にスッカスカにキックが降りるなら何かシリンダ内に問題があると考えられます。 マニュアル記載、標準圧縮圧力9.0kg/cu―1000rpm |
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出来れば! (走行距離が不明ならリング交換っす) 参考:腰上OH時に必要なパーツ 参考:腰下OH時に必要なパーツ |
チャンバー、リードバルブを外してピストンをチェックしましょう。ピストン・シリンダとも大きな縦傷や焼け跡はNGです。抱き付き(焼き付き)を起こしている可能性があります。ピストンないしシリンダの交換やオーバーサイズへの変更をお薦めします。 小さな縦傷であれば、出来れば腰上オーバーホールをした方がいいかもしれません。シリンダ・ピストンにクロスハッチを入れてピストンリング・ピン・ベアリングも交換してあげれば、ストックに近い性能に戻ります。 ピストンリング下がこげ茶色になっているのはピストンリングからの吹き抜けです。あまりにひどい場合はリングやスリーブが磨耗して圧縮もかなり落ちていると考えられますので、ピストン&リング交換やボーリングなどのオーバーホールをお薦めします。 ピストンヘッドにカーボンが多く付着している場合も、オーバーホールしてカーボンを取り除いてあげた方がイイです。そのままにしておくと、デトネーションなどの原因になり得ます。 なお、腰上オーバーホールの際は必ずクランクの状態をチェックしましょう。クランクシャフトの上下方向のガタはNGです。焼き付きなどの重大なトラブルの元になります。腰下オーバーホールクランク分解によるベアリング交換か、シャフト自体が延びてしまっていることもあるので、シャフトは交換した方が無難かも。 また、左右方向のガタは規定値内にあるかチェック。規定値外はクランクピンが抜けてきていますので、クランク芯出し等の腰下オーバーホールが必要です。 ついでに、リードバルブケースを外したなら、リードバルブ部もチェックしておきましょう。画像の様にリードバルブを覗いて太陽にかざしてみましょう。A部分から光が漏れてきたら、リードバルブが曲がってしまっています。リードバルブは根本から先端へムチの様にしなりながら開いていく為、リードバルブに寿命を来たすとココが曲がって開いてしまいます。 @側が開いているようなら、リードバルブケースのコーティング部がバルブに叩かれ過ぎて磨耗している可能性があります。いづれの場合もエンジンが掛からないなどの致命傷にはなりませんし、使用限度もマニュアルでは「0〜0.5mmまで」となっておりますが、開いていれば一次圧縮漏れ等のパワーダウンにつながりますので、ある程度開いていれば交換しておいた方が良いでしょう。 中途半端ですが、エンジン分解コンテンツ有り |
B点火系 | ||||||||
まずは!点火テスト! | スパークプラグをシリンダヘッドから抜いて、シリンダヘッドのボルトに電極をつけてキックしてみましょう。ちゃんと両方とも力強く火花が飛べばとりあえずはOKです。感電に要注意! |
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イグニッションコイルの確認 |
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ヒューズの確認 |
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プラグは新品へ! | 高価なものではないので、交換しましょう!これ基本! なお、イリジウムプラグなどの極細電極のプラグは焼けの確認等が分かりにくいので、セッティングもするのであればノーマルプラグで最初はチェックすることをお薦めします。 |
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CDIの確認 (画像は29L用) |
29LではよくCDIがパンクして、イグニッションコイルに通電しなくなる場合がよくあります。目では確認出来ません、CDIを交換してみれば一発で分かりますが、新品CDIは結構高価です。違う原因の場合もありえるので、RZRオーナーのネットワークを作っておき、借りて試してみるのがいいでしょう。 サービスマニュアルではテスター測定値が出ていますので、それをチェックしてみるのも一つの手かもしれません。 なお、CDIは機種ごとに配線(カプラー)が違うので、基本は同じ機種でチェックするのが望ましいです。 |
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レギュレーター、 バッテリーの確認 画像は前期型のレギュレーター |
レギュレーターが死んでいると充電系がうまく働かず、ライトが暗くなったり、タコメーターが踊ってみたり、と電装系に異常が出ます。それによって最悪はCDIが壊れることもあります。 バッテリーに異常がなくて充電が出来ていない(レギュレータが死んだ)場合は、すみやかにレギュレーター交換した方が良いです。 なお、レギュレーター故障に関しても、違う原因の場合もありえるので、予備を予め入手しておくか、RZRオーナーのネットワークを作っておき、まずは借りて試してみるのがいいでしょう。 サービスマニュアルではテスター測定値が出ていますので、それをチェックしてみるのも一つの手かもしれません。 また、バッテリーに関しては弱ってる程度ならまず問題ありませんが、完全にバッテリーが死んだ場合にも似たように電装系に異常が起きやすいので、こちらも要チェックです。 レギュレーター故障によるCDI不調事例(オーシャン様寄贈情報 2009.11) |
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その他 | 配線をつなぐカプラーやギボシも良くチェックしてみましょう。しっかり接続されていなかったり、緑青(ろくしょう)などが発生して、接触不良を起こしている場合もあります。 また、片側だけしかエンジンが掛かっていない症状が出る場合は、プラグコードを左右入替えて付けてみる方法があります。右から左へと症状が入れ替わる様なら点火系に問題があります。症状が同じ気筒で起こる場合は点火系は問題が無いと判断出来ます。 |
C補足系(エンジンが掛かってからチェックしたいところ) | |
マフラーのチェック (ノーマルの場合) 画像は29L |
長距離使用されてきたり、高回転を回さずに街乗りばっかりしてきたRZRのマフラーはサイレンサーがカーボン&オイルで詰り気味の物も少なくありません。 フン詰りのマフラーだと吹けが悪く高回転まで回らなくなることもあります。。 まず、内部清掃で、サイレンサーエンドの下でプラスネジで止まっているインナーサイレンサーを外します。内部はオイルとカーボンで汚れていたので、灯油やガソリンを使いワイヤーブラシでキレイにします。 パンチングパイプの詰りは面倒ですが、千枚通しのような物をつっ込んで一個一個の穴をキレイにします。 エキパイ部も届く範囲で長いマイナスドライバーをつっ込み、カーボンを除去すること。 ※本当はドラム缶などで焚き火して、その中に入れてカーボンなどを燃やしてしまうのがイイらしいのですが、住宅街では通報されると思いますので、苦情が来ない燃やせる環境がある方以外は止めましょう。 マフラーの表面が錆ていたら、耐水ペーパーでサビを落とし、耐熱スプレーで塗装します。管理人は「オキツモ耐熱スプレー」がマットブラックでお気に入りです。 |
YPVS周りの チェック |
YPVSカバーを外して、YPVSプーリーが正常に作動するかチェックしましょう。 キーをONにするとチェック用の凹と○がきっちり位置が合うかチェックしておきましょう。動きが渋い場合はワイヤーの固着や、プーリー本体にオイルやスラッジがつまって、動きが悪くなっている可能性があります。プーリー本体への注油は、構造上片側だけしか出来ないので、基本は腰上分解しての清掃・注油となります。 また、画像←→部のワイヤーの回る部分の固着に注意しましょう。固着してるのに無理に取り外そうとして、回していくと、ワイヤーが捻られてしまい切れてしまう場合があります。 固着している場合はCRC556などで十分に注油してから、ペンチでつかんで回せば固着部が剥がれる場合もあります。 YPVSモーターからの異音はモーターに注油することで直る場合があります。 |
追記 | ※長期不動車の場合、エンジン掛かったからっていきなり高回転まで回すのは厳禁です。しばらくはオイルの馴染むまで、調子を見ながらゆっくり走りましょう。ものすごい白煙が出て近所迷惑になるかと思うますが、、、、、 |
これを全部チェックすれば、まずエンジンは掛かる思います。 これでも掛からなければ、バイク屋さんに持っていった方が賢明です。 ただし、バイク屋さんも原因を見つけるのが大変で、結構お金を取られてしまうかもしれません!? |
しっかり整備して、いつでも絶好調のマシン(RZR)で楽しみましょう! こんな夜にオマエに乗れないなんて〜!ってことのないように(笑) |
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