RZ250Rは初期型(29L)発売から42年!最終型(3HM)でも製造終了より37年!経っており、オーナーに大切に乗られている車両以外は程度の良いタマがかなり減ってきました。 バイク屋でも2個1や3個1で作られたような車両が平気で売られています。 また、安価で売られている車両の大抵は基本整備程度しかされていません。 しかも、最近では80年代2ストロークは二度と新車は発売されないものとして、中古市場ではかなり高値が付くようになってきました。 かつてはタダ同然でもらえることもあったRZRもその例外ではありません。 当時を知る管理人からしてみれば、恐るべし中古価格帯です。 車両によっては三桁万円のものも見かけるようになってきました!!! GOOバイクでの中古検索リンクへ RZRの中古車に関しては、少なくとも37年以上も販売から経っている車両ですので、旧車全般に言えますがオイルシールなどゴム系のパーツはほぼ耐久年数を超えています。 クランクのオイルシールの交換であればエンジン全バラの作業になります。 その他にもRZR特有のチェックすべき所も色々あります。 最低限、多少キレイな車両であっても37年以上も昔のバイクに乗ると言う覚悟は絶対必要だと思います。。。 バイクは年式の古い物も普通に中古で売られていますが、車で考えてみて下さい。 そんな昔の車を買って普通に乗れると思いますか? ヘタしたら買ったが良いが壊れてばかりで、ゴミを買わされてしまうようなことも十分考えられます。 基本的には今のRZRは定期的なメンテナンスやレストアがなされていなければ、まともに乗れる車両はほとんどありません。 個人的には一度は全てに手を入れて性能をリセットしてやる必要があると思っています。 そうすればRZRは今でも胸のすくような2ストの加速を味わえ、現代車と遜色ない性能を発揮することが可能です。 バイクショップでの「旧車だからこんなもんだよ」の言葉には、「そこまで整備していない」の表れだと思います。 ただ、そこまで整備してしまうと、高価過ぎて売れないバイクになってしまいますが、、、、、 つまり、ちゃんと整備されたRZRはそれなりの費用が掛かっているので、安いものではありません。 本当に費用を掛けて整備されているか、単に高値がつけられているだけのポンコツか、見極める必要があります。 ちなみにエンジン全バラして真面目にOHすれば、素人計算でも20〜30万円以上は掛かります。 OHと言っても腰上だけOHした車両が多いのも事実です。その場合だといずれクランクのオイルシールやベアリングの寿命でエンジンが壊れてしまいます。 RZRは少なくとも37年以上製造から経ってます。 特にオイルシールは寿命になってますので、OHは全バラでの腰上腰下のOHがしてあることが長く乗り続けるには必要だと思っています。 そして、しっかりと全バラOHされたRZRエンジンはとても気持ち良い走りとなります。 折角オーナーになったのに、これを味わないのは勿体ないです。 もし、購入の際にはOH歴が分かるのであれば腰下までOHされているのか?どのようなメニューでOHしたのか確認して下さい。 適当な回答をするショップで価格も高めなRZRだったらやめた方が良いです。 とは言っても、出来るだけ良い車両を出来るだけ安価に購入したいのは誰もが思うことです。 今までRZRを何台か見てきた中で、気になる点を記載しました。 <注> 動く車両であれば、必ず試乗しましょう。乗ってみないと分からないコトはいっぱいあります。 ノーマル車両以外(カスタム車等)については触れていませんが、その手の車両を購入する時は何のパーツに替えられているかは絶対に確認しましょう!それが分からないと故障した時にパーツ注文すら出来ませんから。 |
あくまで私の感じた注意点です。まあ、参考程度に見てくださいm(__)m | |||
@−1タンク内のサビのチェック 画像はコーティング済タンク @−2外装のチェック |
ちなみに現在、新品純正タンクは廃盤です。中古でも程度が良ければ高価ですし、玉数も少ないです。しかも、ヤフオクとかだと中の程度が分かりにくいように出品している人もいて、そんなのは絶対買わない方が良いです。補修に関してもある程度穴が空いてしまったタンクは元々鉄板も薄く溶接で直そうとしてもボロボロと穴が広がって補修できないパターンがほとんどです。 折角安く購入してもタンクがダメだと、大きな出費となってしまいますので、よ〜くチェックして下さい。外観上キレイな外装でもタンクの下面をみてパテ盛りしたような痕があるかチェックは必要です。 1XG以降のタンクは、かつてはオムスビのタンクほど気にしないで大丈夫だったのですが、寄る年並みには勝てず、1XG以降もタンクの錆は要チェック!!。 タンクがダメな車両は代わりのタンク入手の当てがない限り、購入を控えた方が良いと思います。それだけまともな程度のタンクが無い状況は深刻です。 ※そんなRZRなのでタンクがコーティングしてある車両も多いです。上述の問題点が確認出来なければ、コーティングに剥がれ等無くキレイに施工されていれば気にしなくても大丈夫です。 ※29L〜1ARならUPS-TAKUさんからアルミタンクが発売されています。 ※29L〜1ARなら2020年よりレトロさんからスチールタンクが発売されています。 ※1XG〜3HMならTSUCHIZOさんよりFRPタンクが発売されています。 錆取り、コーティングに関してはRZR情報局 その他1を御参照ください。 なお、錆がひどい場合には錆取りでタンクに穴が空いてしまうことも良くあります。程度が悪いタンクの錆取りは覚悟の上で! また、外装(カウル類)も取り付け部の折れや欠けがないか注意してみましょう。 なお、カラーリングに関しては、補修パーツの純正デカールがすでに欠品しているので、デカールが左右違う物だと、それを揃える為にはヤフオクなどの中古カウルを探すしかありません。 参考:外装(カウル類)の補修のページ |
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Aリヤ周りの歪みのチェック Gフロント周りの歪みのチェック |
リヤ周り、フロント周り、いずれとも真後ろ・真正面から見て、一直線で歪みが無く、タイヤも偏磨耗していないこと。 特にリヤ周りのフレームはそれほど強くないので、大きな事故をすると歪みやすいようです。 また、ハンドルを左右に切ってみて、切れ角が同じかどうかもチェックします。また、足周りカスタム車の場合はハンドルロック出来ない車両もあるので要確認です。 上記を含めて、何か見た目の違和感があれば転倒や事故暦の可能性有りです。ハンドルストッパーに大きな打痕が無いか、エンジンやチャンバー部の擦れが無いか、ブレーキ&クラッチレバー&ハンドルの曲がり等、色々確認した方が良いと思います。 まあ、転倒暦の無いRZRはかなり少ないと思います。管理人なんかコケまくったし! とにかく試乗出来るなら、乗ってみて大きな違和感がある車両だけは避けましょう。 フレームの曲がりを測定及び補修も専用機器を持っているショップさんなら可能です。 参考:フレームのレストア(簡易塗装)とパウダー塗装外注加工のページ |
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Bリヤサスペンションのチェック Cリンク部のチェック |
サスペンションロッド部にサビ、オイル漏れ(ダンパー抜け)が無いこと。 サスペンションも新品交換だと高い出費となりますが、、、、、、 リヤサスペンションに関しては、ほとんどがダンパー抜けなど性能劣化していると考えて良いでしょう。 後期型(前期にも転用可)なら純正品はかつては新品購入可能でしたが、2016-12月調べで販売中止になっていました。 また純正サスペンションもOHしてくれるショップもありますが、再生サスペンションは持ちが悪いと言う方の意見も聞きます。 社外品も何メーカーかラインナップがあるので、性能の良い社外に交換してしまう手もありますし、社外品は各種調整機能がついていますので付加価値は高いです。 安全を買う意味でもダンパー抜けしたサスで走行するのは危険なので、出来るだけOHか社外新品交換をお薦めします。 個人的にはYSSが値段もリーズナブルで性能も純正以上でお勧めです。 サスペンションがちゃんと動くかと合せてリンク部もチェックします。 動きが鈍い場合はリンク部のグリース切れが考えられ、最悪焼き付いている場合もあります。 中古車を入手したら、まず一度はリンク部は分解しグリースアップをすると良いと思います。 また、スイングアームにある樹脂のブッシュ部分はグリースアップ以前に変磨耗しやすく、中古購入の際はまず交換すべきところだと思います。 参考:前後足回りレストアのページ |
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Dオイル漏れのチェック RZRは2サイクルエンジンですので、車体周りのオイル汚れとは縁が切れません。単にオイル汚れが付着しているのか、本当に漏れているのか、いつも車体をキレイにしておきオイルが漏れてきたらどこから漏れてきているか確認出来るようにしておくと良いです。なお、多少の滲みくらいは我慢する覚悟も必要です。 |
●スプロケカバー周辺からオイルが漏れている場合は、左画像の、、、 @スプロケシャフト(実際はカラー)のオイルシール不良、 Aギアチェンジシャフトのオイルシール不良、 Bニュートラルセンサーカバーのヒビ割れや中のOリング不良 、、、の3ヶ所のチェックが必要です。Bは簡単に交換出来ますが、@Aは圧入部分ですので、クランクケースをバラさず外側から交換出来ますが、無理だと思ったらショップに任せた方が無難です。 特に@はリブのあるオイルシールですので難易度は高いです。私は腰下OHの際に交換してしまうので、外からの交換はしたことが無いです。 また、@のオイル漏れはカラー本体、Aのオイル漏れはチェンジシャフト、、いずれも支持体の磨耗痩せがないかも要チェックです。 ●マフラーフランジ周辺のオイル漏れの場合は、リングガスケット&ペーパーガスケットの不良です。交換すれば大抵直りますが、フランジにガタがきている場合は、フランジに付属するOリング(純正交換パーツ無し)が無くってしまっている場合もあり、この場合に太目の針金をOリング状に入れたりしてガタをなくす必要があります。 ●YPVSカバーからのオイル漏れは、左右ともエンジン外側のオイルシール(右シリンダ外側はカバーのOリングのみ)は、外側からの交換も可能ですが、エンジン内側のオイルシールは腰上分解しないと構造上交換出来ません。 ●オイルポンプからのオイル漏れはポンプ内部のオイルシール(2つある)の劣化で2ストオイルがポンプシャフト部分から漏れてきます。 重症化してくると最悪オイル切れによる焼き付き等も起こりえます。オイルポンプASSYは2016-12月調べで販売終了です。オイルシールなどの内部パーツは入手可能です。 |
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Eブレーキのチェック |
前後ともですが、ブレーキが引きずっていないか、車両を押して確認しましょう。 長期不動車ではスラッジがピストンに固着して、まともにピストンが動かなくなっている車両が大半です。 ブレーキキャリパーは一度もOHしたことがなければ、分解しての清掃及びOリング交換が必要と思います。 パッドの残量も要確認です。 参考:ブレーキキャリパーレストアその1のページ(簡易OH) ブレーキキャリパーレストアその2のページ(キャリパー分割OH) ブレーキマスターシリンダーレストアのページ |
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Fフロントフォークのチェック |
オイルシールの当り面にサビのボツボツ点が多数あるとオイルシールがすぐ痛むので、この部分にサビの多い車両は注意が必要です。 中のフォークオイルに関してもメンテ暦が不明なら最低オイル交換は必要だと思います。真っ黒ドロドロのヘドロオイルになってしまっている可能性も高いです。 |
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Hフレーム首周りのチェック |
大きな転倒をした車両は、左画像のハンドルストッパー部に大きな打痕があったり、その周辺の塗料が剥げていたり、溶接盛りで補修した跡があったりします。 これらがある車両は他の部分も良くチェックしましょう。
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Iエンジンのチェック | |||
I-1 ウォータポンプ周り |
キックの近辺にあるオイルゲージでエンジン内を必ず確認すること。ウォーターポンプのオイルシール不良で、クーラントがミッションオイルに混入し、ミッションオイルが乳白に変色してる場合があります。 これはRZシリーズに多いトラブルです。新品を注文すると対策品(リップ部の肉厚がある)が来ます。 インペラシヤフトアセンブリ 4L0-12450-01(\4,484) 2013年2月調べ オイルシール(3UH) 93103-10168 (\1,470) 2013年2月調べ ※上記オイルゲージも適当にねじ込むとすぐネジ山がナメるので要注意! |
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I-2 マニホールドの危険箇所 |
また、マニホールドが劣化(硬化)してヒビが入っている車両も多いです。 小さいヒビならそれほど気にしなくてイイですが、大きい物は穴が空いてそこから空気を吸う可能性があり、最悪は焼き付く原因となりますのでチェックすること。 なお、カチカチに硬化してしまったマニホールードは交換することをお薦めします。新品マニホールドは柔らかくキャブの脱着も簡単です。 250R用 ジヨイント,キヤブレタ 31J-13565-01 (\4,935) 2013年2月調べ 350R用 JOINT, CARBURETOR 31K-13565-01 (\3,665) 2013年2月調べ ※バンド部にリブ付きのマニホールドが代替で来ることがあります。 リブをニッパーなので切り取ってRZR純正のバンドでそのまま締めてしまっても良いですが、本当はリブ部分を逃がすバンドがあります。 現在バンドを頼むとこの逃がしがあるバンドが代替として出てくるようです。2012.4追記 |
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I-3 ピストン&クランク周り ピストンヘッド溶けてます(ーー;) 参考:腰上OH時に必要なパーツ 参考:腰下OH時に必要なパーツ |
クランク周りは異音に注意です。ガラガラと異音がする場合はクランクベアリングの異常の場合があります。こちらは焼き付きやベアリング破損などエンジンに重大なダメージを受けてしまう可能性があるので要注意。 ただし、クラッチを切ると音がしなくなる場合はクラッチ側に問題があります。 なお、RZRは組み立て式クランクの為、長距離走ったり高回転の多用されたクランクはクランクピンが抜けてしまいます。クランクピンが抜けてくるとブレが発生し最後は焼き付きます。(RZR情報局 エンジン系及びエンジンかかりませーん参照) また、オイルシールの劣化に注意!左画像左側のオイルシールに異常があるとミッションオイルがクランクケースに進入し、異常なほど白煙がでます。この時の煙は通常の2ストの白煙と比べ、変な臭いがします。 逆の右側のオイルシールに異常があると外気を吸ってしまいます。この時には何もしてないのにアイドリング回転が高くなり、ガソリン臭いオイル(混合気)が滲んでくるので分かりやすいでしょう。 |
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I-4 圧縮抜け 画像拡大可 |
走行していて水温がレッドゾーンにもいっていないのにクーラントがリザーバータンクから溢れてくるようなら、ヘッドガスケットが抜けてしまっている可能性あります。 この時はラジエターキャップを外してキャップを良くチェックします。オイルが付着してれば圧縮抜けに間違いないでしょう。 ヘッドガスケットの再利用やエンジンをOHした際に起きることがあります。 出来るだけ早めにヘッドガスケット交換が必要です。 |
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I-5 クラッチ周り |
クラッチからの異音に注意。調子の良いエンジンは、あまり異音は無いです。ガラガラと異音のする車両はクラッチ本体やベアリングにトラブルがあると考えられます。 ゴロゴロと異音がするのはハブダンパーのヘタりです。RZシリーズに多いトラブルです。プライマリードリブンギアコンプリートで交換(31K-16150-00 \19,320 2005年3月調べ)ですが、分解してダンパーのみを交換してくれるショップもあるようです。 ダンパーのヘタりは左上画像のようにひねってガタがあるかで確認出来ます。 また、極端にクラッチの切れが悪い場合は、クラッチアウター及びインナーバスケットのクラッチ板とのアタリ面が段付き磨耗(左下画像参照)しています。 若干の打痕ならオイルストーンなどで修正できますが、打痕がひどいものは交換しないとクラッチの切れは改善しません。 |
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I-6 その他 |
走行距離はあまりあてにしなくて大丈夫です。 多少の改車であればエンジンやメーターを乗せ換えている場合も多いです。走行距離よりも各部にメンテの手が入れられているかを良くチェックしましょう。 メンテがされていれば、それだけ交換するパーツも少なくなります。 エアクリーナーのスポンジも劣化してボロボロになっている場合もありますので、要チェックです。 不動車購入の際は、クランキングするかと、出来るなら吸排気ポートからピストンを確認することをお薦めします。上記にあるピストン画像のように、圧縮があっても抱き付きに近い状態の物もあるし、ピストンリングの吹き抜けから、どの程度走ったエンジンかの判断になります。 |
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参考:型式のエンジン刻印 ・シリンダ刻印は29Lは「刻印29L」、51L〜1ARは「刻印51L」、1XG〜3HMは「刻印1XG」です。 ・腰下のケース刻印は29L〜3HMまで「刻印29L」。 |
Jサイドスタンドつけ根部のチェック |
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K電装系のチェック 2014-1 |
昔から良く聞くヒューズBOXや29L−CDIや後期型のレギュレーターなど壊れやすい電装系パーツもありますが、これ以外にも電装系全般に経年劣化によるトラブルを近年は聞くようになりました。 CDIに関しては、昔は29L形式のものは壊れやすいと言われていましたが、今となっては全形式が老朽化でいつ壊れてもおかしく無いと思います。社外品や自作品など代替はあります。CDIがダメだと全く点火しません。 レギュレーターに関しても、老朽化でいつ故障してもおかしくありません。故障すると充電出来ないばかりか、CDIなどの他の電子パーツにも悪影響が出てしまいます。ヤマハ他車種、社外品と代替は色々ありますので、故障しているようなら速やかに交換する事。 メインハーネスを含めた配線系統はカチカチに硬化している車両も結構多いです。 最近ではメインハーネスも社外品が出ており、その他の電装系のリペアパーツも販売されてきたので、それに交換してしまう手もあります。 不動車であれば最低限火花が飛ぶかまず確認したいところです。 電装系の不具合は0(ゼロ)から原因究明ですと判断がつきにくく直すのに時間が掛かる場合が多いです。 |
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